【面接で聞かれる質問対策】「退職理由・転職理由」の回答ポイントと回答例を徹底解説!

2021年6月11日

面接で失敗しないための面接官の考え方とコツ

コロナ禍で難しくなる就職や転職活動。

慣れないリモート面接では、上手く答えられるか不安や緊張があると思います。

また準備段階で、「どんな質問を想定して準備すればいいの?」という方は多いと思います。

大手商社から広告代理店に転職した筆者が「面接のポイント」について紹介します!

このページでは、面接で必ず聞かれる質問をピックアップして、その意図と適切な回答方法について紹介していきます。

本記事で解決できること

・転職の面接で必ず聞かれる質問とは
・「転職・退職理由」の質問の意図や面接官の考え方
・「転職・退職理由」の回答のポイントや回答例

転職面接で必ず聞かれる質問

転職の面接で必ずと言っていいほど質問されるのが、転職理由や職務経歴、志望動機です。

ビズヒッツ(三重県鈴鹿市)が「転職の面接に関する意識調査」を実施しました。転職面接での質問事項や面接対策についてのデータをランキング形式で発表しています。

転職の面接でされた質問”ランキング 3位「職務経歴・経験した仕事内容」、2位「志望動機」 1位は? - ITmedia ビジネスオンライン
”転職の面接でされた質問”ランキング 3位「職務経歴・経験した仕事内容」、2位「志望動機」 1位は?https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2104/18/news010.html

同調査によると転職の面接でされた質問の1位は「退職・転職の理由」(239人)、2位は「志望動機」(235人)と突出して多く、次いで3位「職務経歴・経験した仕事内容」(159人)、4位「自己紹介・自己PR」(108人)、5位「今後のキャリアプラン・目標」(96人)と続いた。

また、「退職・転職の理由」では具体的に「なぜ辞めたのか、いつ頃から辞めたいと思っていたのか」「なぜ短期で離職したのか」といった具体的な理由も掘り下げられたそうです。

退職・転職の理由について徹底対策

それぞれの質問についてどう回答すればいいか教えて!

ここからは、面接で質問されるランキング1位の「退職・転職理由」について徹底解説していきます。

面接の印象は志望度を左右する?転職での「面接の印象」に関する20代・30代の本音調査 | d's JOURNAL(dsj)- 採用で組織をデザインする  | 採用テクニック

質問の主旨

退職や転職の理由を問われるというのは、つまりなぜ現職・前職を辞めようと思ったのかです。

聞き方は以下のような例があります。

【退職や転職の理由】質問例
「なぜ転職しようと思ったのですか?」
「どうして今の会社を辞めようと考えたのですか?」

以下では、これらの質問に対する準備を説明します!

質問の意図

この質問で面接官がチェックしたいのは以下です。

「応募者が自社で活躍してくれそうかどうか」
「応募者が入社後にすぐに辞めてしまわないか」
基本的にはこの2点のみと考えて間違いないです。

面接官は、転職理由と自社の状況を照らし合わせ相性をチェックしています。

繁忙期に残業が多い企業に対して「残業が多かったのが嫌で辞めた」と言われたら、誰でも「また同じ状況になるから辞めちゃうかな?」と思いますよね。

不満の改善策を行動に移したかもチェック

仕事に不満を感じる

また、転職理由となった現職・前職での不満や不安を、自身で改善・解決するための行動を起こしたかという点も重要です。

伊藤忠やソフトバンクといった世界に誇る大手企業でも、必ず欠点はあります。

であれば当事者としてその欠点に向き合い改善する為にアクションに移すべきですし、日々課題に向き合うビジネスパーソンとして、非常に重要な能力なのです。

この質問を通し、仕事上のハードルやストレスを打開する力があるのか見るのです。

回答のポイント

面接官の質問を意図を理解した上で、回答におけるポイントを整理しましょう。

以下では、特に重要な2点について説明します。

転職理由(退職理由)を答えるときの2つのポイント
①言いづらい理由も、嘘ではなく「言い換え」をする
②愚痴や悪口だけでなく、状況と改善した行動を客観的に説明する

①言いづらい理由も、嘘ではなく「言い換え」をする

ものごとを正直に話すことは、面接に限らず仕事や対人関係において、言いづらい場合もあるでしょう。

特に転職では実際は多くの人が現職へ不満があるのですが、そのまま伝えるのは難しいですよね。。

退職の本当の理由は?従業員の本音を聞き出せない企業側に求められること | 福利厚生のRELO総務人事タイムズ

ミドルの転職が調査したアンケートでも、転職理由の本音と建て前は大きく異なるのが現実のようです。

しかし、本音と全く違う理由を話してしまうのは絶対にNGです。

本音をすべてをありのままに語るのではなく、工夫して伝えることで、印象の悪化を防ぐことができます。

「給与が低く不満」な場合、それをそのまま伝えるのではなく例えば「自分は売上○○円の実績があり、この実績やスキルにより見合うキャリア選択をしたい」という言い方に出来ます。

言い回しを変え、ポジティブで意欲的な転職理由に変換すると好印象につなげられます。

面接対策、ネガティブな退職理由をポジティブな理由に変換する

②愚痴や悪口だけでなく、状況と改善した行動を客観的に説明する

面接官は応募者の不満や愚痴を聞きたいわけではありません。

「給料が安かった」「休みが少なかった」などと漠然とした理由を挙げられても、面接官は評価のしようがありません。不満や愚痴だけ説明しても印象が悪化してしまいます。

重要なのは、誰もが納得できる不満を伝える事。そして不満に対して出来る限り対処したものの退職せざるを得なかった理由を説明する事です。

もし、「休みが少なかった」という転職理由を伝えたいのであれば、「●日間の連続勤務が常態化していた」「6カ月間のうちに休日は●日しかなかった」など、誰にでも分かるよう、客観的に判断ができる事実を伝えるようにしましょう。

社会人として「やってはいけない」6つの悪習慣 | TABI LABO

また、改善に向けて自分から行動を起こしたというエピソードを盛り込むことも大切です。

課題に対する自主的な行動を示すことができないと、課題や仕事も自分で対処できないと判断されてしまいます。

改善アクションは大げさでなくていいです。「アクションを起こし改善を試みたが、解決されなかった」というところまで話すことが重要です。

この記事を読んで、「あ、私改善アクションできてない」と思った方は、明日仕事で早速トライして既成事実を作ってしまいましょう!

回答例

ここからは、転職サイト大手DODAでのコラムを参考に、ポイントを踏まえて具体的な回答例を見ていきます。

①給与UPしたい場合
②ワークライフバランスをアップしたい場合、
③キャリアアップしたい場合

の3事例でそれぞれ見ていきましょう。

【参考サイト】

①給与UPを実現したい場合

OK回答例

給与水準が低く、経済的にゆとりがないことが直接的な理由です。現在、月収18万円程度ですが、先輩社員の話を聞くと、5年後も大幅な改善や昇格が見込めない状況です。両親が仕送りを必要としているほか、今後、私自身が家族を持つことを考えると、今の会社で働き続けるのは難しいと考え、転職を決めました。御社では成績に応じたインセンティブやポジションが得られるとうかがっています。
【参照】https://doda.jp/guide/mensetsu/interview/003.html

OKポイント

具体的な事例・データを用いて、「業務で成し遂げた実績に給与が見合わなかった」といった表現で伝えると、「自分の能力値を勘算できている」とビジネス視点での自己アピールになります。

また、「自分の人生設計と照らし合わせ、収入面でもより上を目指していきたい」といった表現で伝えるというのもいいでしょう。

NG回答例

今の職場での給与が安く、正直少し不満がありました。営業で結果を出しているものの、給与は一定で一向にUPしません。実績に見合った待遇を叶えたいと思い、転職を決意した次第です。

NGポイント

「安い」といワードは個人の主観で、抽象的です。額面や実績など、具体的な数字で説明しましょう。

また、単に「給与が低かったので」と伝えるのは、給与面だけに固執していると判断される恐れがあります。説明には注意が必要です。

②ワークライフバランスを実現したい場合

OK回答例

今の職場では入社当初から、毎日朝7時から夜12時までの勤務が常態化しています。同僚も同じ状況で、2年間にわたりアウトソーシングを提案したり、増員の要望を出したりしましたが、変化を好まない会社の風土もあり、「うちの会社はこのやり方でやってきた」と受け入れられませんでした。ワーク・ライフ・バランスを改善したいと考え、転職を決意した次第です。
【参照】https://doda.jp/guide/mensetsu/interview/003.html

OKポイント

労働時間について「毎日朝7時から夜12時まで」という誰が見ても「長い」と思える具体的な数字が挙げられており納得感があります。

周囲も同じ状況だったと伝えることで、長い労働時間が個人の能力不足によるものではないことが示されています。

また改善アクションの内容も明確に伝えられています。会社の方針から改善が叶わず転職を決意したという流れは自然です。

NG回答例

休日出勤が多くプライベートな時間がとれないのがつらいです。忙しい時期は連日残業で、こんな生活に疲れてしまいました。その割に給料は安いです。上司は私を評価してくれず、やりがいを感じにくい環境なのも理由のひとつです。
【参照】https://doda.jp/guide/mensetsu/interview/003.html

NGポイント

「安い」「多い」など抽象的な言葉が並び、説得力も欠けています。

また「疲れた」「つらい」というネガティブなワードが目立ち、不平不満ばかり述べている印象になってしまいますので、やはり客観的な数値を述べた上で、自分の想いとのギャップを明確に伝えましょう。

③キャリアチェンジ・キャリアアップを実現したい場合

OK回答例

今の現職では営業職として勤務をしていますが、お客さまの声をじかに把握しているにもかかわらず、課題解決につなげられない現在の仕事に限界を感じています。上司に商品改善プロジェクトの立ち上げを提案したり、商品企画・開発部への異動願を出したりするなど、可能な限りのアプローチを試みたのですが、コスト・人員の観点から実現は困難であるとの回答が続きました。未経験ではありますが、顧客ニーズのくみ取りには自信があり、御社の商品企画チームで、顧客本位の商品づくりに邁進したいと考えております。
【参照】https://doda.jp/guide/mensetsu/interview/003.html

OKポイント

「顧客本位」という、仕事に向き合う上での価値観が全体を通して感じられる内容で、仕事に対する前向きな熱意が感じられます。

顧客ニーズや自身のスキルをなんとか解決したいものの、会社のポテンシャルに限界を感じる理由は、中小企業から大企業にステップアップする理由として多く、このような回答がスタンダードです。

NG回答例

今の仕事の内容は自分に合っていないと思い、転職を考えました。もっと華やかな仕事がしたいと考え広告業界に入りたいと思いました。

NGポイント

第二新卒や異業種転職の方は、キャリアチェンジという理由が多いですが、注意が必要です。

「現職の仕事内容にやりがいを感じない」という理由をそのまま説明すると、今まで自身が培ったキャリアが全く活かさないように聞こえます。

あくまでも、現職で培った内容を転職先に活かすという説明を出来る用にしましょう。

転職経験者が実際に面接で話した退職・転職理由ランキング

上記では、3点の理由でのOK回答例とNG回答例を解説しました。

実際に、転職者が実際に話した転職理由は以下です。

※複数回答
※出典:doda調べ「転職に関するアンケート」
調査期間:2018年12月
調査対象:20~30代のビジネスパーソン2,302人
調査実施:パーソルキャリア株式会社(転職サービス「doda」を運営)

やはり、給与アップ、ワークライフバランス、キャリアアップの順番が多いことが分かります。

転職理由は様々。やはり素直な理由を伝えよう!

また、このアンケート結果を見ると、その他にも多くの理由が実際の面接で話されています。

そう考えると、やはり嘘ではなく実際に思っていることを素直に話すことがとても重要です。

まとめ