【マーケティングの基本①】人間の脳にある「手動運転と自動運転」
はじめに
ビジネスをしている方なら、「どうしたら売れるサービスが創れるのか」「なぜあの商品やサービスは世の中から支持されているのか」という疑問や課題を常に考えながら仕事をされていると思います。
一般的に世の中に良く認知されよく売れているサービスは、『マーケティング』がしっかりと機能しています。
しかし、この「マーケティング」について一から勉強したり取り組もうとすると、領域の幅広さゆえに「何をどこから学べばいいのか分からない」という声をよく聞きます。
このブログでは、広告代理店で日々マーケティングの現場と向き合っている筆者が、
とてつもなく広く深い「マーケティング」を、より身近に分かりやすい形でお伝えしようと思います。
これらの記事を読んで頂き、マーケティングを身近に感じて頂きながら、自身のビジネスにも活用いただけるような記事にしていきたいと思います。
重要な事は「人間の脳の理解」
現代においてマーケティングといえば、「デジタルを活用したCRM活用」とか「O2Oマーケティング」だったり、それっぽいカッコいい響きの手法が頻出しています。
しかし、どんな最新のマーケティング手法であろうと、その本質で共通している事は「人間の脳の構造」に基づいた考え方から来ているという事です。
結局、モノを買うのは今も昔も脳の構造が変わっていない「人間」ですので、どれだけ多岐に渡るアウトプットのある現代においても、おおもとは「人間の脳」をベースに考えられているんですね。
一見当たり前のようですが、皆さんがマーケティングを理解していくには「人間の脳について理解をする」という視点・考え方を忘れないことが重要になります。
脳は基本的に面倒くさがっている
脳はとても優秀で、何か考えたり行動する時は必ず脳から指令が出ています。
人間は1日に脳から数万から数十万回の意思決定をしているといわれております。
人間の活動内におけるその働きぶりは相当なもので、1日のエネルギー消費量の約20%を脳が消費しているといわれています。
一方、脳の重量はというと、人間の総重量の約2%しかないのです。
それだけ小さく軽い脳が、1日に膨大な量の意思決定を動かしているのです。
その為、脳は基本的に「少ないエネルギーで効率的に働く」事を好みます。
情報をずっと論理的に処理すると、脳はパンクしてしまいます。脳も生命力が備わっているので、生命を脅かすような行動は本能的に回避する働きがあるんです。
ですので無駄な情報は「無視」をしたり「忘却」していくのです。
自動運転と手動運転
脳内の働きについては、よく運転に例えられる事があります。
先ほど申した通り、脳は基本無駄な働きをせず、目に入る無駄な情報を「無視」して「忘却」していきますが、運転で例えるとこの時の脳は「自動運転モード」になっています。
ハンドルを握っていない、いわば意識を集中せず行先へ向かっている状態の事を指します。
一方で、重要な意思決定に直面した時、人間は脳を集中させて論理的に考えます。この時はいわば「手動運転モード」となっており、ハンドルをしっかり握り目的地に向け運転している状態となります。
マーケティングでは「手動運転のタイミングを狙う」のが鉄則
マーケティングでは、「顧客がいつ『自動運転』と『手動運転』を使い分けているか」を理解する事が重要です。
そして顧客の脳が「手動運転」の状態になっているタイミングでサービスや商品を売り込む必要があります。
逆に、あなたがサービスを売り込もうとしている相手が「自動運転」に入っている状態であれば、その人は無駄な情報をスルーしている状態です。
あなたがいくら時間をかけ素晴らしい広告や情報を発信しても、「相手の心には刺さっていない」という結果になります。
相手が「自動運転」である状態を「手動運転」に切り替える方法もありますが、面倒くさがっている相手の脳のスイッチを無理に手動運転に切り替える事はとても難しく、非常に大きな労力を要する為、これはおススメできません。
あなたは、相手の需要や課題が高まって「手動運転モード」に切り替わるタイミングをしっかりと理解してプロモーションする必要があるのです。
「手動運転」のタイミングとは
商品やサービスが受け入れられやすいのは、相手が「手動運転」のタイミングでアプローチをする事だと説明をしました。では一体「手動運転モード」になっているタイミングとはどのようなタイミングなのでしょうか。
大きくは下記の2点になります。
①不便や課題を感じ需要性が高まる瞬間
②買い物のスイッチがONの時
①不便や課題を感じて需要が高まる瞬間とは
例えば、お昼の12時になった時に「お腹が空いた」と感じる瞬間や、
冬になって肌が乾燥してきて「乾燥肌がつらい」と感じるような瞬間です。
「乾燥肌がつらい」と感じた瞬間に、それはイコール「乾燥肌をなんとかしてくれる商品が欲しい」という需要性が高まっている瞬間です。
化粧品メーカーであれば、冬のタイミングでテレビCMを出したり、お試しサンプルを配ったりしてプロモーションを仕掛けますし、
お肌に関する情報を発信している方であれば、このタイミングを狙ってSNSでお肌悩みに関する内容を発信すると、ユーザーにとっては「必要」な情報として受け入れられやすいのです。
②買い物のスイッチがONの時とは
2つ目については、相手が特定の需要を感じていなくても「何か買おう」と意識しているタイミングです。
具体的には「EC」「ショッピングセンター」や「スーパー」といった店舗に入っている時、そして店内で何かを購入しようとしているまさにその瞬間のタイミングです。
ショッピングセンターにいる時は何かを買おうと「買い物スイッチ」がONになっています。しかも人間は、もともと買おうと思っていなかった商品を買ってしまう「非計画購買」が買い物全体の7割であるという結果も出ています。
なのでこのタイミングであなたの製品やサービスを売り込む事で、顧客の購買意欲を駆り立てることが出来る訳です。
まとめ
今回は脳の基本的な構造について、簡単な説明となりましたが、今後もこのように様々な角度からマーケティングについてのトピックスを発信していきます。
・人の脳はエネルギー効率が悪く、無駄な情報は無視したり忘却したりする。
・その為、脳の活動には「自動運転」と「手動運転」のモードがある。
・マーケティングでは、相手が「手動運転」のタイミングで商品やサービスのプロモーションを仕掛ける事が重要である。
・そして「手動運転」のタイミングというのは、
「不便や課題を感じ需要性が高まっている瞬間」や「買い物のスイッチがONになっている時」である。
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