「プロモーション」って「広告」とどう違うの?
就活や転職で高い人気を誇る広告業界。
ただ、ひとくちに「広告業界」といってもその活動領域は「広告」「プロモーション」「PR」等に分かれます。それぞれどう違うのか、この業界にいない方からすると、実際あまり知らないのではないでしょうか?
そんな悩みを解決できる記事を作りました!
本記事では、テレビやラジオで流されるCMや、新聞広告、折込チラシ、街中で目にする看板やポスターといった「広告」と街頭やイベントで配布される「プロモーション(=販促)」の違いについて、分かりやすく説明していきます。広告も販促も、企業名、商品名を覚えてもらい、商品の購入やサービスの利用につなげることが目的ですが、役割が違います。広告と販促の違いをしっかり理解して広告業界のことをより深く理解していきましょう。
「プロモーション」は来店や購買を促す販促手法
さて、まずは少し硬い感じで「プロモーション」について説明します。
「プロモーション」とは、利用者や顧客の購買意欲を高めて、実際の購買やサービスの利用へ結びつけるために具体的に行う手段のことを言います。企業は、商品名やサービスを知ってもらうだけではなく、実際に手に取ってもらい、購買行動に結びついて初めて収益になります。つまり、「広告」によって紹介された商品やサービスを、より購入や利用に結びつける働きかけをするのが「プロモーション」です。
例えば、消費者が手に取りやすいよう商品を小売店の店頭に並べるための什器や陳列台、ディスプレイを含めた店内の雰囲気作り、売り場のPOP、アピールを目的としたイベントやキャンペーンも販促にあたります。売りたい商品やサービスを、最も効率よく利用者や顧客に提示し、購買意欲を高めることはすべてプロモーションと考えられます。
と、ここまで説明しましたが、もう少し具体的にイメージが湧くように説明しますね。
購買における消費者の行動フロー
あなたが何かを何かを買う時、頭の中では下記の図のようなフローが組まれています。
まずはその商品を「認知」し、「興味や関心」を持ちます。そして類似商品と価格やスペックの比較をしたりして、最終的に「購入」に至ります。この一連の流れを広告業界の用語では「パーチェスファネル」と呼びます。
あなたがその商品のことを初めて見て、「こんな商品が出たんだな~」「なんだろうこの商品!」と思った時、それは「広告」が役割を果たしています。
しかし、あなたがその商品を実際に買ってくれるまでには実はもう少しハードルがあります。
いくらその商品を知っていて興味を持っていたとしても、いざコンビニやスーパーの陳列棚の前に立った時にその商品を選ぶかどうかは分かりません。その商品には競合商品もありますし、その時の気分で全然違う商品に手を出すことももちろんあると思います。
「計画購買」と「非計画購買」
マーケティング領域では有名な論理ですが、人間の購買意思決定には、もともと買う商品を決めて購入する「計画購買」と、お店に入ってから購入を突然決める「非計画購買」という2種類のパターンがあります。
そして、「計画購買」と「非計画購買」の割合が3:7という研究結果が出ています。
つまり、普段私たちの買い物カゴに入るほとんどの商品が、もともと「認知」や「興味や関心」を持っていて「買おう!」と決めていた商品ではなく、実際にお店に入ってから「あ!これいいな!」と思って購買する商品なのです。
意外ですか? それとも、「あぁ、言われてみたらたしかに」と感じますか?
いずれにせよ、そう考えると、いくら「広告」を通して「認知」や「興味・関心」を高めていたとしても、実際の店頭でその商品を手に取ってもらうには、ハードルがまだまだあるという事が言えるんですね。
「非計画購買」を促進する「プロモーション」の役割
さあ、ここで登場するのが「プロモーション」です。
先ほど説明した通り、販促は、店頭でのチラシやPOP、そしてイベントやキャンペーンといった販促手法だと説明しましたが、まさにこれが「非計画購買」に結びつける大事な手段なんですね。
Aという商品には「今なら限定で○○フィギュアがもらえる」だったり、「今なら50%還元」みたいなキャンペーンを店頭でデカデカと謳っていて、片やBという商品は目立たない感じでひっそりと陳列棚に並んでます。スペック自体同じようAとBという商品でも、このように少しでも良いインセンティブが付いていれば、Aの方がなんだか欲しくなってきて、つい手に取ってしまいますよね。
このようにプロモーションとは、最後の最後であなたの購入のひと押しを手助けする手法になります。
まとめ
最後に、改めて図を使って「広告」と「プロモーション」の違いを下記にまとめます。
同じ「広告業界」でも、それが果たす役割というのは様々な種類があり、その中でも「広告」と「プロモーション」というのは消費者が購買に至るまでのフェーズ(段階)によって出し分けるという、大きな違いがあるという事をご理解いただけたら幸いです。
「広告代理店」の中にも「広告」に特化した代理店と、「プロモーション」に特化した代理店も存在しますので、また別記事でそのあたり詳しい企業を説明していきますね!
「プロモーション」に特化した広告代理店一覧
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