【広告代理店の仕事】コンテンツコラボビジネスの実態ややりがい
はじめに
就活や転職で高い人気を誇る広告業界。
「華やか」「激務」「ブラック」といったイメージがある中、具体的な仕事内容やリアルな働き方については実際あまり知らないのではないでしょうか?
こんな疑問を解決する記事を用意しました!
本記事では、広告代理店に勤務している筆者が以下を紹介します。
・コンテンツビジネスとは?
・コンテンツコラボの仕事の大変な事、魅力
・コンテンツコラボを成功するために大切な事
この記事を参考にしていただき、現在の自身に置かれた状況ややるべきことを少しでも理解して頂ければ幸いです!
コンテンツビジネスとは
コンテンツビジネス(ライセンシング)アニメやキャラクターといった誰かのコンテンツを使用してプロモーションするビジネスです。
要するに、キャラクターやアニメの著作権(=版権)を対価を払って使用させてもらうビジネスになります。
具体的には、鬼滅の刃×ダイドードリンコの「鬼滅缶」が流行りましたよね。これもコンテンツビジネスです。
コラボの目的
鬼滅缶の例で説明します。ダイドードリンコのコーヒーは今まで社会人の男性寄りの商品でした。
一方鬼滅の刃は老若男女問わず人気が爆発したコンテンツで、鬼滅が好きな高校生・大学生といった若年層が鬼滅缶を購入する効果がありました。
このようにコンテンツビジネスには、企業いままで取れなかった新しいターゲットを獲得できるメリットがあるのです。
このように、アニメやブランド、アーティストと企業がコラボすると今までになかったプロモーション効果が獲得できるのです。
コンテンツビジネスの仕組み
①プレイヤー
企業、代理店、そして「版権元」というコンテンツを管理する会社が登場します。
呪術廻戦で言うと「東宝アニメーション」、鬼滅の刃だと「アニプレックス」です。
版権を使いたい場合は、まずこの版権元からの「使用許諾」を得なければいけません。
アニメの著作権を管理している版権元が、コラボしていいかどうか判断して初めて成立します。
ちなみにこの時、「許諾する側をライセンサー」「許諾を受ける側をライセンシー」と言います。
②お金
また、コンテンツビジネスでは版権元に対して版権利用の対価(費用)が発生します。
企業はコラボでアニメを使用する為に使用料を支払っているんですね。
料金は2パターン存在します。
①使用料=契約期間や契約内容に応じて設定される一定の金額(コラボ使用料1000万みたいな)
②景品ロイヤリティ=キャラクターを使った景品を作る際「景品納品価格×製造数量」に対してかかる料率
コンテンツビジネスの実態
ここからは、筆者の経験に基づくコンテンツビジネスの実態について説明します。
実態①お金の実態
上記で版権利用の対価(費用)が発生すると説明しました。
みなさんが街で何気なく見かけるコラボには、実は大きなお金が動いているのです。
キャラクターによっては「億」を越えるコンテンツもあります。コンテンツのパワーによって大きく変動します。
例えば、ドラえもん、任天堂といったワールドクラスのコンテンツは数千万円レベルです。
なので、予算的にとても手を出せないコンテンツもあります。上位コンテンツコラボを見かけたら、「企業はお金かけてるなぁ」と思ってください。
コラボ内容よっても費用があがる!?
また、コラボの内容によっても費用が変動します。
例えば、オリジナルのボイスメッセージや人気声優のサイン入台本がもらえるとしたら
それだけプレミアムがでますので、費用があがります。
ファンにとって特別感の高い内容になるほど費用もあがりますので、コラボの内容にも注目してみてください。
実態② 融通が利かない!?
また、初心者がコラボビジネスでつまずくポイントとして、「版元の意向が強い事」が特徴です。
企業がこんな事をやりたい!と思っても、実際には好きな事はさせてくれない事が多いです。
例えば、キャラクターに企業オリジナルソングを歌わせる、という事もハードルが高いです。
キャラクターには世界観が重要で、それを逸脱した事をするとキャラ自身のイメージが変わってしまいます。そういう点で版元はとてもシビアにチェックします。
なので、そのアニメに詳しくない企業側の意向は版元側として受け入れられないことが多く、あまり自由なことができないことが多いのです。
その割に気まぐれな点もある
しかし、監修会の度に言う事が結構変わる事もあります。
コンテンツビジネスは版権側からするとおまけみたいなもので多大な利益にはなりません。なので監修にあまり時間や労力ををかけたくないのです。
時間がない中で監修しているせいか、前回NGだったのに、もう一回監修に出したらOKという事もあるのです。厳密な線引は設けてないのですね。
逆に言うと、版元とのコミュニケーション次第で許諾可否が変わるので、版元との調整は重要且つ難しいのです。
実態③ スケジュールがタイト!?
さらに実施するにあたり調整が難しいのが、版元監修のスケジュールです。
版元は、「監修会」という社内会議を実施して許諾判断をすることが多いです。
監修会は毎日あるわけではありません。なので企業側も版元の監修会に合わせて準備しないといけないです。
例えば、監修会が1週間に1度しかない場合、キャンペーンやグッズのスケジュールはそれを踏まえて進めないといけないです。
コラボぇは一般的には3〜6ヶ月前から1年前から動く事が多く、とてもロングスパンが必要なビジネスなのです。
コンテンツビジネスを成功させる為に必要なこと
①潤沢な予算
説明したとおり、そもそもコンテンツ使用するにあたり費用がかかります。
しかも生半可な額ではありませんが、結果それに見合った対価が返ってくるパワーもあるのです。
企業はそれを見越して費用を捻出しますが、予算があまりないと実施するのは厳しいでしょう。
②「諦める」気持ち
また、色々な事をやりたい気持ちを抑える気持ちも重要です。
アニメやキャラは、自身の世界観が第一優先で、斜め上の企画は問答無用でつっぱねられることが多いです。
筆写も呪術かいせんが好きで「他にない企画を!」と意気込んでいましたが、版権側から何度もNG返され、モチベーションが下がった経験があります。
このビジネスではキャラの世界観を理解したうえで、あまりエッジの効いたことはできないと心得たほうがいいでしょう。
③スケジュール管理
スケジュール管理も大変です。
監修会が週1回なら、その監修会を逃すと2週間なにも動けない、という事にもなります。そうこうしているとほとんど進まないまま1ヶ月が過ぎているという事もあります。
なので、監修を逆算をして、企画全体のスケジュールをたてないといけず、広告代理店がしっかり管理する必要があるのです。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません